2008回想特別編・第七翠聖帝谿1 昨年の釣行記より…
2008回想特別編・第七翠聖帝谿1 昨年の釣行記より…
初めての読者の方へ、後で出てくる飛潜神イワナとは、2006年に第七翠聖帝谿で、聖翠どのが釣り上げた58センチの巨大イワナ。(モブログの写真のイワナ、http://shinano.wablog.com/m)源流では70センチ以上(昔は1M以上)も夢ではないが、翠渓会では実際近年釣れたイワナで最高記録だ。もちろん放流魚やダム湖の魚ではない。胴回り、重量も重い。
『疾風怒濤翠聖帝谿・風嵐ノ出陣/前編』
「挑・迷・謎?翠聖帝谿の主・巨大飛潜神岩魚に挑む」
聖翠殿の一本の電話から始まった。今期、第七翠聖帝谿への入渓は延期になっており、突然の出陣に慌ただしく出陣準備。何故か聖翠殿からの電話が嬉しかった。最近の体調不良で、ハードな釣行は避けていたからだ。昨年飛潜神岩魚に大敗した、第七翠聖帝谿に向かう。思えば昨年のあの飛潜神イワナのアタリを実感してから、一年経ったが今だに感触を覚える。姿を露さず、沈黙の駆け引きの中、言葉にならない生命の力強さ。普段の我々は尺イワナ程度で十分引きを味わえるのだが、全く違う未知の生きものに遭遇した。昨年以来、半ば取り付かれたかの様に、あの引きを思い出す。巨体のイワナを掛けた後、叫ぶが渓音にかき消されてしまい、助けすら呼べない。恐ろしい巨涵イワナだった。そして全くの完敗であった。こちらの駆け引きを楽しんでいるかの様な、全く飛潜神イワナの一方的な勝利だった。渓流釣りを初めて30数年、あんな引き、アタリは初めてだった。重量感のあるとても重い引き、竿先を三番近くまで軽く、捻り込むパワー、バレてしまったが、掛かって乗ったら、弓なりどころではないだろう。きっと恐ろしく暴れまくるに違いなかった。そのサイズからは想像を遥かに超越した太古から生き抜いて来たとてつもないパワーだ。昨年は完敗の数時間後、40センチの雌イワナを釣る。パワーは有るが、2〜3分で取り込めた。全く飛潜神とは比較にならない引きと重さだった。その後も45センチの胴回りの太い大イワナを掛け、淵を下られバレたが、それに勝まる重量感だった。まるでコンクリートの固まりに引き回されているかの様な…根が刈りしたまま動かない様にも感じた。竿の操作など皆無に等しい。巨大岩魚は推定で2尺以上ある。鱒釣りでも58センチを掛けたが重い。八ケ岳の別荘地渓流で60センチの鯉も釣った事はあるが、どちらよりも遥かに強い違う重量感だ。どれ程の怪力なのか予測すらできない。自然の谿だからこそ生き抜くパワーを持ち続けているのだろう。もし掛けた場所が飛潜神イワナのホームなら間違いなく負ける。戦う前から勝負は決まっている。何年あの淵に住んでいるのだろうか?飛潜神岩魚の守備範囲であれば、たとい掛かっても上がらないだろう。弱点は飛潜神が走れない狭い場所に出ている時だけだで、それも一発勝負になる。しかもある程度増水しないとエゴから出ないようだ。長年生き抜いている、そう簡単には掛からない!昨年は増水気味だったが、今年はどうか?釣るなどと考えずに、全ての雑念を捨て投餌しなければアタリすらないかもしれない。昨年は掛かっただけ運がよかったのかもしれない…。さぁ!夜明けの出陣だ。聖翠殿と合流、白々明けだがまだ暗い林間を通り、深い闇が残る谿の四時、翠聖帝谿への入口に向かっていった。いつもより緊張気味で足取りが重い。何だか濃霧と暗やみで、足元が見えない。漆黒の闇中に懐する様な錯覚さえ起こる。真に「霧中の陣幕」疾風怒濤の翠聖帝谿。何だか今日は不気味だ。これが、翠聖帝谿へ人を近づけさせない、風強嵐林の前の静けさなのか?人跡稀有…無風の濃霧に守られた谿に吸い込まれる様に、谿へ向かって我々は進んで行った…。
………………………………
■日本渓流会JP翠渓会
翠渓会関東圏基幹G本部
関東圏本部・本部長
関東圏統括・関東管領
関東南部支部・支部長
翠渓会本部・副会長【翠月】
suikeikai@coda.ocn.ne.jp
http://www.suikeikai.jp
http://kantonanbu.wablog.com
………………………………