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2008回想特別編・第七翠聖帝谿2 昨年の釣行記より…疾風怒濤翠聖帝谿・風嵐ノ出陣/中編』

2008回想特別編・第七翠聖帝谿2 昨年の釣行記より…疾風怒濤翠聖帝谿・風嵐ノ出陣/中編』 1

2008回想特別編・第七翠聖帝谿2 昨年の釣行記より…疾風怒濤翠聖帝谿・風嵐ノ出陣/中編』「挑・迷・謎?翠聖帝谿の主・巨大飛潜神岩魚に挑む」

関東基幹G合同出陣



実際、谷に下降すると昨年よりは水量が少ない。この谷は水量が増えた鉄砲水の跡から水位が平水より7〜8Mは一気に増水するようだ。今日は閉じ込められる心配はない。曇天が谷の合間に薄日も差している。さっそく聖翠殿が首を傾げている!私が気にしてる水位より水質の事だった。濁りや匂いまで感じ取る動物的感覚の持ち主、聖翠殿。私には何の事かわからないが、釣りに関してはあまりコンディションがよくない…という。どういう事なのか?魚の気持ちや動きでも分かるように私に話す。「感覚」…渓流釣りにはこれが大事な事で、未知の谿に入る場合などは生命に関わる場合もある。よくベテランの釣り人が事故を起こすのは、その経験の豊富さが自信過剰となり…「感覚」が薄れるためだ。意外に事故の場所が安易な事(場所)なのが物語る。危ない場所には敏感だが、普通の何でもない高巻きで滑落という事も多い。さて不用意に釣りを開始したものの、アタリはない。水量のせいにはしたくはないが、魚影が見えない。産卵の為に上流に移動してしまったのか?聖翠殿が八寸イワナを釣る。私もヤマメ九寸だ。綺麗なパーマークとピンク色と橙色にヌメリが輝いている!この谿は天然ヤマメしかいないが、いくつかパターンがあるようだ。パーマークも小判型や丸いものもいる。翠聖帝谿はイワナ、ヤマメが混生しているが、全ての魚に共通しているのは、魚体の輝かしい程に覆われたヌメリとヒレピンの体型だ。特にヌメリが強く分かりやすくいうと、うなぎを掴む感覚と同じだ。放流も無いので、長い世代交替の中で変化もしていないのかもしれない。放流魚など他の魚との交配もなく、命をこの谿で繋いできたのだろう。暫らく行くと、例のゴルジュ帯の入り口だ。昨年はヘッピリ腰の翠月も聖翠殿のルートでなんとか増水の中突破できたが、今日は問題無いだろう…聖翠殿が言う。ここ迄九寸しか出ないがこの先はどうか?やがてゴルジュに突入、曇天の空が隠れる逆さV字峡だ。翠聖帝谿の入り口を守るような、門状ゴルジュと言える。相当な年月と水量に掘られた岩盤には隙間がない。大増水時の鉄砲水の高さも想像を超える。こんな所にも翠聖帝谿の前衛を死守するかのようにイワナの魚影が突然復活。並んでいるイワナが入れ食いだ!奥に潜む巨大イワナ、飛潜神の子供達だ。遡行にも余裕が有るので今日はゴルジュ帯も攻めてみる。尺上も混じるようになり、ふと淵に目をやると、体型も太いイワナが張りついているのがハッキリ見えた。雄の40オーバーに近い大イワナだ!しかしまわりに八寸クラスのイワナがたくさんいて届かない。スウーっとグリーンの深みに消えていった。昨年釣った雌の40センチよりは一回り大きかった。先行する聖翠殿が手をあげてる!もしかして?飛潜神イワナがでたのか?もうすぐゴルジュの出口だ!出口の明るい谿間が見えた。



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