佐渡島の渓流伝説2
全国各地の古い文献を見たりしていると、大イワナの話しはよく出てきた。中には民話にも大きい川魚(イワナ)の話しもあり、どれもメータークラスのサイズの話だ。現代でもいるかもしれ無いが限られた場所だろう。過去では1mのイワナなど珍しくはないとの事だ。よく伝説や物語には三メートルのイワナに抱きついたとか、イワナが人に化けるなどの話があるが、釣り人など居ない時代、イワナは釣られたりせず長生きしたのだろう。イワナ長寿の話しも、他の動物と同じように伝説めいた話しになった。しかも夢の話ではなく、偽りなく現実に大イワナは生息していたのだろう。そして写真の事も忘れかけていた数年後、あの写真の場所を推測する事ができたのだった。
その切っ掛けはつりキチ三平のミノイケと呼ばれるマタギ達が放流したと伝えられるブナの森の源流にある、山上湖の記事だった。マタギ達は冬に猟を行う。熊打ち猟師達の知恵で、猟の最中に吹雪等の気象条件を考慮しての備えだ。イワナはタンパク源であり、謂わば非常時の食料確保の一つだという。他にも調べてみると源流の限られた湖沼には知られ戯れる魚が住み着いているという。マタギ達は当時一般の庶民とは一緒に暮らしたりせず、彼ら独自の生活をしていたようだ。佐渡島にマタギが居たか判らないが、越後のマタギが佐渡島に渡ったとは想定できる。しかし緯度は高い佐渡島だが、湖沼という限られた環境で、果たしてイワナは巨大になるのだろうか。イワナは15年も生きると聞くが、限られた個体だけだろう。もしあの写真が湖沼で釣れた(獲れた)イワナなら証拠写真という事になるだろう。
私が知っている限り、湖沼系育ちではない、谷生まれ、谷育ちのイワナは80センチクラスが限界で、やはり釣り人が多く、生息環境が悪化している現代では大きくなる前に釣られてしまうか、環境の変化に耐えられなくなり、死滅していると思われる。あの写真のイワナが湖沼生まれの個体であれば、その祖先は一体何時から住んでいたのだろうか。民家もない山上湖に態々放流するとしたらマタギ達以外には考えられないのだが・・・
一体誰なんだろうか・・・。
そして私は歴史的な事柄からある事を調べるようになっていた。その答えは佐渡島にあると確信している。佐渡島には久しく行ってないがその答えに繋がる旅にでる機会は早く訪れそうだ。
佐渡島の渓流伝説3に続く。
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